2007年3月13日

ホクレン農業共同組合連合会会長 矢野 征男 様

(社)北海道自然保護協会
会長 佐藤 謙
斜里山麓の水を守る会
会長 平松 賢次

斜里町豊里川上流における貴連合会の産業廃棄物処分場計画に関する質問書

 斜里町の中斜里精糖工場による廃棄物の処分場が、斜里町豊里川上流に計画されていることに関して、地域住民の方々は水源の安全性や自然環境の悪化について危惧の念をいだき、またその声が北海道自然保護協会宛に寄せられています。処分場に搬入されるのは、ライムケーキ・乾燥汚泥・植物性残渣・石炭の燃え殻・ばいじんなどの品目と聞いています。
 各種廃棄物の処理が問題視される近年、循環型社会をめざすことが日本社会の基本の一つとなり、北海道も3R(Reduce、Reuse、Recycle)運動の中でリサイクルを推進しております。例えば、ライムケーキについては、「ライムケーキ有効利用検討報告書」(北海道循環資源利用促進協議会農業資材部会ライムケーキ再生利用検討ワーキンググループ、平成16年4月)によりますと、北海道のライムケーキは平成元年に約86%が埋め立て処分されていましたが、平成14年には約45%に減少されています。一方で、ライムケーキの多くが土壌改良材として農地(草地)に還元されており、最近では新たなリサイクル技術も検討され、年々リサイクルが進められていると聞いております。
 この処分場は、廃棄物を埋め立てる方法で、清流豊里川のすぐ近くに予定されておりますので、サクラマス(ヤマベ)、イワナ類(アメマス)、ニホンザリガニ、エゾサンショウウオなどが生息する自然な河川生態系あるいは重要な漁業資源への影響が間接的であろうとも危惧されます。また、処分場からさまざまな化学物質が流れ出し、下流に存在する水源を汚染し、住民生活に影響する危険性があります。そのために、廃棄物の厳重な管理が求められますが、それでも危険性を100%除くのには困難が伴うと言われております。
また、上記の報告書では、「埋め立て処分するにあたり、最終処分場の構造基準の強化などに伴い、処理経費が年々増大している」と述べられています。埋め立て処分は、地下水の水質モニタリングなど遵守しなければならない必要事項が多いため、住民の懸念を除くことができないだけではなく、費用も高額になると予測されます。その上で、廃棄物の埋め立て処分は、清流豊里川という自然な河川生態系への影響とともに、住民生活に直接影響する危険性があります。
廃棄物の扱いには、埋め立て処分だけではなく、リサイクルあるいはその他、種々の方策が考えられる中で、自然環境そして住民生活への負荷が最も少ない方策を選ぶ必要があると考えます。現在の社会状況からは、北海道が推進するリサイクルによって処分するのが良い方法のように考えられますが、貴連合会では、精糖工場廃棄物のリサイクルを検討されたのか、検討されたとすれば、リサイクルその他の方策ではなく、何故、埋め立て処分を選択されたのか、可能な限り詳細な資料によってご説明をいただきたいと願っております。農業王国北海道を支える貴連合会におかれましては、精糖工場からの大量廃棄物の処理は避けて通れない、将来に続く大きな問題と考えられますので、切に、丁寧な回答を願う次第です。
なお、回答は、建設に向けて緊急であることから3月20日までに、北海道自然保護協会(〒060-0003 札幌市中央区北3条西11丁目、加森ビル6F、Tel&FAX:011-251-5465)宛に、文書と資料によっていただけますよう、宜しくお願いします。