知床世界自然遺産候補地科学委員会 座長 石城謙吉 様
2005年2月11日
北海道自然保護連合代表  寺島一男
社団法人北海道自然保護協会  会長   佐藤  謙
知床世界自然遺産候補地の保全に関する要望
 知床世界自然遺産候補地の保全に関して、種々の専門の立場から精力的に取り組まれている貴科学委員会に対し、心から敬意を表します。知床における自然環境保全のあり方は、世界遺産や自然公園等の領域における問題に止まらず、日本における環境保全のあり方全般に大きな影響を与えるものと考えております。一つ、知床世界遺産候補地の推薦に関しましては、世界的に高まってきた海洋保護の機運に応じて、陸域と海域の生態系のつながりが重視されましたので、それをどのように保全していくのか、中でも河川における砂防ダムのあり方について、私たちは、知床、そして日本における切実で緊急な課題として、重大な関心を持っております。
 ところが、世界自然保護連合(IUCN)からの書簡に対する日本政府の回答は、上記の推薦趣旨に照らし、きわめて不十分です。また、その回答を準備した環境省を初めとする関係行政機関は、貴科学委員会における討議と意見を十分に反映することなく、さらに、貴科学委員会が提出し速やかに公開することを求めた意見書について公開を著しく遅らせました。そもそも、推薦書には、世界遺産の保護管理計画のために貴科学委員会が組織されることが明記されております。そのような委員会の意見を聞かない事態は、最初から重大な過ちを犯し、きわめて遺憾であると考えております。
 私たちは、昨年12月20日、「知床世界遺産候補地の保全に関する要望書」(添付資料)を、環境大臣・林野庁長官・文化庁長官・北海道知事宛てに送付しました。貴科学委員会におかれましては、私たちの要望書における趣意をお汲み取りくださり、基本論議と種々の検討をさらに深めていただけますよう、ここにお願い申し上げる次第です。
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