天塩川流域委員会御中

2005年11月8日

天塩川流域委員会の運営に関する申し入れ書

サンルダム建設を考える集い、下川・自然を考える会、サンル川を守る会、名寄・サンルダムを考える会、(社)北海道自然保護協会、北海道の森と川を語る会、(社)北海道スポーツフィッシング協会、大雪と石狩の自然を守る会、旭川・森を川ネット21、環境ネットワーク旭川地球村、遊楽部川の自然を守る会、北海道自然文化ネットワーク、NPO北の森と川・環境ネットワーク

 

 

  天塩川流域委員会は、学識経験者、地域住民および関係市町村長の意見を河川整備計画に反映させる目的で設立され、委員会はすでに 8 回開催されてきました。しかし公開されている議事要旨や委員のやりとりを見ると、地域住民、市民団体、自然保護団体などの意見が反映されない整備計画となるおそれがあると判断されます。したがって、我々 13 団体は、現在および将来の天塩川流域住民が生活しやすい河川整備計画が作成されるために、委員会の運営に関して以下の申し入れを行います。

1.議事要旨をやめて、発言を全文掲載する議事録を作成すること。

   2.寄せられた意見に真摯に対応し、問題点を徹底的に検討するために専門部会を設置するなどして、委員会の運営を改善すること。

   3.次の委員会でこの申し入れを検討し、委員会 から 回答すること。

 

申し入れの趣旨

 

•   公の委員会では、発言者名も含め、全文を掲載した議事録を作成することが重要である

発言は責任をもって発言するが、発言の自由が保証されなければならない、という理由で発言者の名前がふせられているが、公の委員会で責任をもって発言することは、名前入りで発言することである。研究者は、自らの意見を社会的に求められている存在であり、匿名で発言することは、研究者として社会的責任を果たしていないことになる。市町村長は公的存在なので、もともと匿名になじまない。地域住民団体代表者は、自らの団体を代表して発言することが期待されているのに、匿名ではその期待に応えないことになる。また地方自治体の住民は、自分の町の首長が何を発言したのか知る権利があると考えられるが、名前なしの発言では知る権利が奪われることになる。 緊張感のある有意義な委員会にするためにも、発言者名入りの全文議事録が必要である。

全国には多くの流域委員会が存在するが、なかでも活発なのは淀川流域委員会であり、この委員会は、我々がここに申し入れている全文議事録を作成・公表している。北海道では釧路川流域委員会があるが、そこでは議事概要が公開されている。この概要では、委員名は記載されていないが、委員の発言や事務局からの答弁がきちんと記載されている。改めて言うことではないが、流域委員会は税金で運営され、その目的も住みやすい環境づくりにあるので、住民に分かりやすく、住民と連携ができることを旨とすべきである。住民意見を反映することを目的とした各地の委員会では、全文議事録が多いことにも配慮すべきであり、全国的動向を踏まえて、全文議事録を実現すべきである。

2.   委員会の運営について

「前回委員会の宿題は何か,を明確にして,議題設定をすべきである」

委員会は地域住民などの意見を聴いて、それをまとめる任務が課せられているが、現在までの経過を見ると、寄せられた意見の聴きっぱなしである。これらを改善するためには、毎回、検討で問題が残った事項をまとめ、次回までに各委員に考えてきてもらうとともに、次回の委員会では前回からの懸案を明確に示し、まずその検討から入るべきである。

 

「寄せられた意見に対して真摯に対応すべきである」

流域委員会として、寄せられた意見を整理・検討し、それぞれに対してどのように意見を集約するのか、方法とスケジュールを示さなければ、寄せられた意見に対して真摯に対応することにならない。

第 8 回委員会に配布された資料には、資料 4 「寄せられたご意見について」とあるが、開発局の反論が記述されているだけである。これでは、開発局の意見は分かるが、肝心の流域委員会の意見はわからない。流域の地域住民に応える責任が流域委員会にはある。そのような責任を果たす運営をすべきである。

 

「深い討議をするために専門部会などを積極的に開催すべきである」

第 7 回委員会の議事要旨では、「委員の意見を出し、委員会の中で議論を進めていくこととする。ただし、どうしても専門部会等が必要であれば、その設置の可能性を残しておくこと」と結論が述べられている。

しかし委員会を傍聴してみると、多くの時間が開発局の説明に使われており、委員からはそれに対する質問、疑問などさえ出されないまま終了している。また開発局の説明は一方的であり、開発局が反論している市民団体の考えかたを、当の市民団体が説明する場が与えられていないことは不公平・不公正である。流域委員会が開発局の説明を聞くことはまず必要なことであるが、最終的には委員会としての見解をまとめることが任務である。そのためには、委員会が、寄せられた意見で出された問題点を整理して、検討し、集約する作業をしなければならない。これまでに出されている、治水、利水、サクラマスなどの環境問題などについては、地域住民・市民団体・自然保護団体から多くの重要な意見が出されており、それらについて委員会が検討するためには、当該者を呼んで直接、意見を聞き、議論しなければ、集約作業は不可能である。

これらについて委員会としてどのような体制で論議するのか明確でない。そのような状態で、このまま「委員の意見を出し、委員会の中で議論を進めていく」ことを続ければ、いつまでたっても、開発局の説明に対して質疑応答さえできない段階にとどまってしまうであろう。ある委員からある問題で発言があり、次に別の委員から別の発言があり、どれも中途半端で終わって、いつになっても集約ができる状態にならない危惧がある。

専門部会を設置して、それぞれに責任者を配置し、委員が重要と考える意見を委員会に寄せた者を招致して、詰めた論議を行うことが必要である。そこでの検討結果を親委員会に報告して最終的なゴールを目指すのが、一般的である。 3 つの専門部会を設置すれば、単純に考えても時間が 3 倍節約できるだけでなく、深い論議ができて、よい集約ができる可能性が高くなる。親委員会を開催し、次に専門部会をそれぞれ数回開催し、その報告を親委員会でさらに審議するといった繰り返しを行わなければ、住民のためのよりよい河川整備計画は実現できるものではない。専門部会の設置によって効率的運営を実行することを申し入れたい。

 

3.   我々の申し入れに対する審議について

外部からの提案に対して聞く耳を持たないならば、委員会はたとえ公開されていても実質的には密室となってしまう。委員会としては寄せられた意見や提案をきちんと検討すべきである。 そもそも委員会の委員は、淀川委員会がどのように運営されているかについて、きちんとした情報をもっているとは思われない。これは無責任であり、淀川委員会の構成や運営について、淀川委員会から委員を呼んでレクチャーしてもらうことも必要であろう。議事録のありかたや、専門部会の設置に関して、淀川委員会でできていることがなぜ天塩川委員会ではできないのか、委員会は早急に検討すべきであり、 今回の我々 の提案をもし受け入れないのならば、その理由を明確に説明していただきたい。

 

 

《回答書送付先》

申し入れ 13 団体代表窓口

〒060−0003 札幌市中央区北 3 条西11丁目加森ビル5−6 F

TEL&FAX  011 - 251−54659

            社団法人北海道自然保護協会 会長 佐藤謙

 


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